発表1:
井手口 拓郎(東京大学・准教授)
「先端振動分光および顕微鏡」
光で分子振動の情報を捉える振動分光法は、分子を対象とする自然科学の各分野で広く利用されています。赤外吸収分光法やラマン散乱分光法は、数十年にわたる研究開発を経て成熟しきったと思われるような分光法ですが、先端の光科学の知見をもって再考すると、これまでに実現できなかった新たな機能や高い性能を出せることが分かります。本講演では、近年、我々が開発してきた振動分光および顕微鏡の新技術についての解説を行います。これらの技術がどのような研究の発展に貢献しうるのかを皆様と議論したいと思います。
発表2:
井上 圭一(東京大学・准教授)
「自然界の光分子ツールボックス ―微生物ロドプシンの科学を理解する―」
細菌など、微生物の光受容型膜タンパク質である微生物ロドプシンは、7本の膜貫通ヘリックスの中心に、all-trans型のレチナールを結合した構造を持つ。そしてこのレチナールが光を吸収すると13-cis型へ数百フェムト秒で異性化し、それを端緒にタンパク質部分の構造が多段階に変化することで、多様なタンパク質機能が発現する。その機能は分子ごとに異なり、イオンポンプやイオンチャネル、シグナル伝達、酵素反応などが知られているが、これら全ての機能の制御をレチナールのわずかな構造の違いで達成している。また共通の発色団を持つにも関わらず、分子ごとに430 nmから690 nmまでの、多様な吸収波長を持つことも知られ、講演では、これらを可能にする微生物ロドプシンの持つ分子メカニズムについて紹介する。
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[開催日時]
7/30 (金) 17:00 開始
[対象]
主に大学院生以上としますが、他分野の方や学部生の参加も歓迎します。
若手研究者・学生の学際交流の場にもなると嬉しいと考えています。
[開催形態]
◆A形式(最大100人、学生優先).
講演者に対して直接の質疑応答や、フリーディスカッションに参加したいと考える方は、従来のアナウンスのようにZoomでの視聴。フォーム回答後のYoutube LiveのURLを知らせる自動返信のメールとは別途メールにてZoomのリンクをお送りします(16:30頃までに送信予定)。
◆B形式(人数無制限).
テレビやラジオ感覚の視聴(ただし質問はチャットを通じて可能)で構わない方は、Youtube Liveでの視聴。フォーム回答後に送られてくる自動返信メールに記載されているYoutube LiveのURLに時間になったらアクセスいただき、講演をお楽しみください。
以上二種類の形式のどちらかの視聴方法を選択してください。
なお、YouTube Liveは開催週の週末まではアクセスできるようにしておくので、時間が合わない方も時間差視聴することが可能です。
[参加方法]
本ページ下部にある登録フォームから登録。A形式を希望された場合は、Zoom URLは当日に本Vコロキウム運営用のメール(
molecular.photoscience.v.c@gmail.com)からメールにて通知されます。
[参加費]
無料(コロキウムも懇親会も)
[タイムテーブル]
17:00 - 17:05 開幕挨拶
17:05 - 17:40 講演1
17:40 - 18:05 質疑応答1
18:05 - 18:40 講演2
18:40 - 19:05 質疑応答2
19:05 - 19:10 閉会挨拶・次回予告
(希望者のみ)
21:30 - バーチャル懇親会
*オンラインツールを利用したV懇親会を計画しています。URLは、以下のフォームで参加表明いただいた方に、当日夕方までに別途メールでお送りします。
以上で不明な点があれば、こちら↓までお問い合わせください。
molecular.photoscience.v.c@gmail.com