本調査研究会では、磁場発生や磁場応用に関連する分野の最前線で活躍されている旬の研究者、今後の飛躍が期待される若手研究者、長らく活動されていらっしゃった先生方に、じっくりお話を伺う機会を作っています。今年度の第1回研究会では、磁気科学分野の成立以前から長らく第一線でご活躍されてこられ、昨年度で定年退官された大阪大学の植田千秋先生にご講演いただけることになりました。弱磁性物質の磁気異方性に起因して発現する物体に対する力学的効果から異方性の計測や物質分離への利用について、基礎からわかりやすく解説頂ける予定です。
できるだけじっくりとお話を伺い、議論するため、講演時間を長めにとっています。またとない機会ですので、是非、ご参加いただければと思います。
日 時:2024年1月11日(木) 13:30~15:00
実会場:大阪大学大学院 工学研究科 A1棟111号室
(〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1)
http://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/access/
13:30~15:00 永久磁石によって弱磁性体に誘起される並進や回転の運動特性
植田 千秋 (大阪大)
自発磁化を有する物体では、磁場勾配による並進や、磁気異方性による回転が古くから認識され、実用化されてきた。私達のグループではこれらの運動が、物質の大多数を占める弱磁性体でも発生することを初めて見いだした。物体の回転や並進を生み出す磁気力は、その質量に比例するため、誘起される運動の速度や角速度は、質量に依存しない。この特性を利用して、種類が異なる粒子の磁気分離や、単一微小試料の磁化率(&異方性)の計測が、実用性の期待できる低磁場条件で実現した。それらの原理および装置の概要について紹介する。
参加費:無料
世話人: 秋山庸子 (阪大) yoko-ak@see.eng.osaka-u.ac.jp
廣田憲之 (NIMS) hirota.noriyuki@nims.go.jp
諏訪雅頼 (阪大) msuwa@chem.sci.osaka-u.ac.jp