「チェンジラボラトリー」は、「文化・歴史的活動理論」にもとづく「形成的介入」の具体的で実践的な研究法です。現在、それは、介入研究の革新的な方法として、国際的に注目を浴びています。そこでは、実践者と研究者が実践創造のための会合をもち、「活動システム」の潜在的な「矛盾」に立ち向かう対話・討議を通して、自分たちの仕事の実践を自分たち自身でボトムアップに変化させ発達させる「拡張的学習」が生み出されていきます。
このチェンジラボラトリーは、社会と私たち自身の未来づくりにとってどのような可能性をもっているでしょうか? この問題をテーマに、とくに中国と日本の学校において教師たちとともに進められたチェンジラボラトリーを取り上げ、国際シンポジウムを開催いたします。
基調講演には、中国、華中師範大学心理学院の洪建中(Jianzhong Janne Hong)教授をお招きいたします。洪教授は、フィンランドで博士号を取得後、ヘルシンキ大学のユーリア・エンゲストローム教授がセンター長を務める研究センターの博士研究員、ラッペーンランタ・ラハティ工科大学講師を経て、現在は華中師範大学教授に就かれています。先生は、長年、中国における活動理論研究を第一人者としてリードされ、今回、基調講演でお話しいただきますように、中国で初めてのフルスケールのチェンジラボラトリーを小学校の教師たちと実施され、その成果を国際的に発表されています。
ご関心をおもちの皆様のご参加をお待ちいたしております。
● 日時:2024年2月17日(土)13:00–17:00 ※ 12:30開場
● 場所:関西大学 梅田キャンパス 6階 605号室
● 使用言語:英語
● 参加費:無料
● 主催:科学研究費・基盤研究(A)「拡張する学校を創る―変革的エージェンシーの形成へ―」(研究代表者:山住勝広、課題番号:22H00084)
● 後援:活動理論学会
● プログラム(敬称略)
基調講演 Keynote Lecture 13:00–15:00
Jianzhong Janne Hong 洪 建中(Distinguished Professor, School of Psychology, Central China Normal University 華中師範大学 心理学院 教授)
Primary School Teachers’ Expansive Learning in a Change Laboratory of Teaching Research Activities in China
講演 Lecture 15:10–16:00
Katsuhiro Yamazumi 山住 勝広(Professor, Faculty of Letters, Kansai University 関西大学 文学部 教授)
Teachers’ Concept Formation for Future-Making in a Change Laboratory: An Activity-Theoretical Formative Intervention Research in a Japanese Elementary School
全体ディスカッション Plenary Discussion 16:10–17:00