要旨:MOF(金属有機構造体)は金属と有機配位子がネットワーク構造を形成する物質で、ガス吸着や触媒といった機能物性を示す材料として注目を集めている。遷移金属が興味深い幾何学格子を組むことがあり磁性研究の対象としても興味深いが、その観点からはあまり注目されていない。我々はプロトン伝導体として知られているMOFにおいて、遷移金属が三次元ハニカム格子を組むことに着目した。類似の状況は物性研の理論グループにおいて研究され、Kitaevスピン液体の実現が提案されているが[1]、我々の知る限り実験的な研究は行われていない。我々は対象物質の試料を合成し、パルス強磁場領域まで物性測定を行い、温度や磁場変化に伴い様々な相が現れることを発見した[2]。セミナーではこの物質の磁性を紹介し、MOFにおいてKitaev磁性体を探索することの利点や今後の展望を議論する。時間があれば関連する有機無機ハイブリッド磁性体の強磁場磁化過程についても紹介したい。
[1] M. G. Yamada et al. Phys. Rev. Lett. 119, 057202 (2017).
[2] H. Ishikawa et al. under review.
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お問い合わせ: 金道浩一
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