海外子会社における不正会計事例の分析~グループガバナンス及び内部統制の視点から~
■講師:石島 隆, 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科教授
■講演内容:我が国においては、財務報告の信頼性を確保するために金融商品取引法にお いて、経営者が財務報告に係る内部統制の整備・運用状況を評価して内部統制報告書を作 成し、公認会計士等が当該報告書の監査を行う「内部統制報告制度」が適用されているほ か、財務諸表監査の領域においても「監査における不正リスク対応基準」が制定・適用さ れ、不正会計防止への対策が取られている。しかしながら、本社からのコントロールが効 きにくい環境となりがちな海外子会社における不正会計事例は後を絶たない。そこで、本 発表では、不正会計発覚に伴って東京証券取引所に提出された改善報告書等に記載されて いる再発防止のための改善策をグループガバナンスと内部統制の視点から分析することに より、我が国の企業がグローバル展開するに際して、企業グループ全体の組織体制、人的 資源管理、リスク管理、モニタリング活動などにどのように取り組むべきかについての留 意点を整理する。
■講師略歴:1979年に公認会計士第2次試験合格(1983年 公認会計士登録)、1979 年監査法人サンワ東京丸の内事務所(現有限責任監査法人トーマツ)入所、 1986年 株式会社オービックビジネスコンサルタント入社・教育事業部主任、1988年センチ ュリー監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所、1998年同代表社員就任 、2003年大阪成蹊大学現代経営情報学部(現経営学部)助教授就任、2006年法政大 学大学院イノベーション・マネジメント研究科客員教授就任、2007年同教授就任( 現任)。2008年博士(創造都市,大阪市立大学)。2019年システム監査学会会長就 任。