「社会人(社会・人)のための美術教育?:美術教育の未来へ向けての疑問符」
2021年度のリサーチフォーラムでは、コロナ禍においても学術研究の灯を絶やさずに美術教育学の未来を展望することを企図し、事業部主催でのオンラインレクチャーを展開してきました。最終回となる第3回では「社会人(社会・人)のための美術教育?」をキーワードとして、地域や社会の多様な現場で実践を重ねている、2名のゲストスピーカーと「美術教育の未来」へ向けた検討を試みます。
平野智紀氏(内田洋行教育総合研究所主任研究員、昭和女子大学環境デザイン学部非常勤講師、東京大学大学院学際情報学府博士課程在籍)は、本学会の学会員であり、あいちトリエンナーレ2019においてボランティア育成特別講師を務めるなど、芸術表現と社会との接点を美術教育の観点から研究・実践されています。また安斎勇樹氏(株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO、東京大学大学院情報学環特任助教)は、ワークショップデザインの方法論を商品開発・人材育成・地域活性化のコンサルテーションに援用するなど、企業・地域において求められる創造性について、学術的かつ実際的に知見を蓄積されておられます。
美術教育によって涵養される資質・能力は、社会の中で生きていくうえで、どのように活かされうるのか? あるいは、社会で求められる創造性から逆算するならば、美術教育はどのようにその萌芽を育むことができるのか?ーー本フォーラムのタイトルに差し挟まれた疑問符(?)は、これらの問いや、「社会人」という言葉に潜在する社会像・キャリア観への問い直し、美術教育の担うミッションの問い返しなど、複数の問題群を含意しています。
マルセル・デュシャンは「答えはない、なぜなら問題が存在しないからだ」という言葉を残しています。これを裏返すならば、未来に向けて美術教育学が「答え」を出すためには、まずはそこに「問題」が発見されなくてはなりません。全3回のレクチャーシリーズの結びとして、美術教育における新たな「問題」を生み出すことができれば幸いです。
※本フォーラム開催にあたって前提となる問題提起の動画を作成しました。ご覧いただければ幸いです。
https://youtu.be/BtinjQa2kA8 ●日時:2022年3月13日(日)13:00~15:00
※フォーラム当日までに、参加お申込みいただいた方を対象に、ゲストスピーカーによる関連動画(オンデマンド視聴可能)を配信いたします。
●対象者 :美術科教育学会員の方、およびフォーラムのテーマに関心のある非学会員の方
●参加費 :無料
●開催形態:動画配信プラットフォームを用いたオンライン開催
●協力 :内田洋行教育総合研究所
●申し込み方法: 本グーグルフォームよりお申し込みください
★★参加受付後に、配信動画へのアクセスなどを順次メールにてご案内いたします。必ず、事務局からのメールを受信できるよう、設定の確認をお願いします★★
●問い合わせ先/事務局担当:吉原和音(大阪府立江之子島文化芸術創造センター アートコーディネーター)
artedu2021.rf@gmail.com