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知音ネット句会互選フォーム(2022年6月分)
2022年6月分の互選フォームです。
下記の句よりご自分の句以外の5句を選句してください。
※毎月20日締切です。
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伝言板消えて幾年春寒し
百年の檜林に囀れる
寝転べば引力しかと鳥雲に
羽音のリズム牡丹園真っ盛り
古墳より望む海峡木の芽風
ひと日にて桜は峠越えにけり
結婚の話の土産蕨餅
ほうれん草の弾力を切りにけり
白々と満開の花冷えにけり
入学を果たせし子らの算盤塾
とどまらぬ時間のごとく花筏
山笑ふ窓という窓開け放ち
生きてゆく明日へ開くチューリップ
春の潮藻屑を浚ふ河口堰
庭小さしされど山吹容赦なき
さくらさくら一緒に句作したかりし
一枚は紫雲英の畑休耕地
ムササビの白きお腹や星朧
ヒヤシンス硝子は声を遮りぬ
畦土の黒々として穀雨かな
身を投じ屍と重ね落椿
傭兵の算段するか春暖炉
水音に耳傾けて蓮華草
跼り種を蒔く人影持たず
手の内を秘めたるままに黒椿
吉野もかくや色いろいろの山桜
とりどりのマスク行き交う商店街
したたかな心は見せず垣通
過ぎ去りしあと一陣の花吹雪
被爆川を数多泳ぎて鯉のぼり
鳥の呉れし無名の桜今万朶
落第に母は動ぜず養花天
薔薇園の作業員みな無口なる
走り根に傾ぐ石段春祭
庭を掃く雛僧一人涅槃の日
花楓ゆくりなく声掛けられて
連れ合ひの手招きに見る山桜
光る風葉つぱのレース突き抜けり
春潮や曝す岸壁貝の屑
洞窟の安らぎに似て春眠し
ガーベラとアップルパイと熱いお茶
焼き芋や大スーパーの真ん中に
自家製の塩味強き桜餅
対岸へ渡る術なく桜狩
海峡の流れの速し先帝祭
切り紙のごときっぱりと紫木蓮
旅鞄ひよいと担げば風光る
牡丹の芽芯に秘めたる炎かな
壺焼の栄螺香ばし浜の茶屋
緑さす招待状に切手貼り
静かねと言へば登場春の虻
窓際に人影動く木の芽晴
ぽつねんと眺める春の海の果
花筏行く手さへぎる杭二本
逃れてはまた波に寄り磯遊び
うらうらと独り吟行たまご焼
母に付き軒へ入り来し燕かな
牛たちの出発間近桜東風
薔薇園のいちばん奥で待ち合はす
飛行機雲を追ひかけて春惜しむ
クローバー四つ葉を二本仏壇に
薄日さすクルスの墓標春落葉
用務員入学式の庭を掃き
日の当たる壁を動かぬ春の蠅
山一つ越えて湖百千鳥
濃山吹すでに参道始まれり
万葉の世と変はりなく蜷ゐざる
比叡山あぶり出されし山桜
和蠟燭灯して湯宿竹の秋
山吹を揺らす買物袋かな
辛夷咲く頃や内示に胸騒ぐ
一叢の都忘れの木陰あり
来年に余力残せと花に言ふ
豊前坊淡き緑の初音かな
木の芽山そこは道ではないからね
雨上がる窓を開くや夕桜
せせらぎに跳ねる陽光水草生ふ
父祖の墓やうやう見付け入り彼岸
桃の花ひまに青空見え隠れ
うららかや子の髪ひだまりの匂ひ
朝茹での蕨一束柔らかき
花の雲五重塔を浮かべけり
風光るポッケにいつもスマホあり
街並の一新されて花水木
をろがみて雛納むる一日あり
ひつたりと閉ざせる校門飛花落花
春夕焼洗濯物の染まりをり
賑やかな妻で幸せヒヤシンス
生れしまま傷ひとつなきチューリップ
手作りのくすだまを割る入学児
チューリップ夜には夜の色したる
木々は手を大きく拡げ桜東風
富士箱根一望の春惜しみけり
片栗やをとめらに名の有る如く
優しさをひたひた広む春の海
旅疲れ花にかまけて西ひがし
曇天を明るく照らし若楓
日溜りの下は地獄よ金瘡小草
蒲公英の茎を伸ばして絮毛飛び
奇声には奇声で返し鳥の恋
草笛は靴箱の上入学す
手習ひの一点一画日永かな
つつましき鉢の木の芽の二三本
崖の暗さに映えて著莪の花
春雨や石灯篭も傾きぬ
緩やかに丘を染めたり桃の花
祝福を纏ふ二人や花吹雪
末黒径焦げたる釦四つほど
ベンチまだ濡れてをるなり春の山
掬ひては放る花びら子らの声
梅若忌ふと母の心とり戻し
四ツ谷駅崖一面の菫かな
チューリップ優等生のごとく咲き
白木蓮高さを測る如散りし
庭先に弁当広げ暮の春
ウイスキーグラスに菫一括り
蜂蜜の匙をあふるる日永かな
この更地何のありしか花水木
多摩川にビル影うかび春霞
春惜しむ旅の話の尽きぬなり
蒲公英やそつと摘む手の小ささよ
花盛り街に小道具大道具
おぼろ夜やつまづくやうに物わすれ
父の忌や山の端染めし花朧
畑開く未来の教師仏の座
桜蘂降り止み雨の降り止まず
大いなる仏足石や飛花落花
入園児荒川土手の土筆摘み
廃村に共同墓地や芦の角
木道の先の湿原百千鳥
まなじりのどこまで下がる花見宴
早起きの犬の散歩や夏近し
見返れば帰路ことごとく雪の果
戸を開けて待ちかねし荷や春の風
暮れなづむ川面煌めき遅ざくら
つきつぎにトンネル抜ける山笑ふ
オルガニストの指先光るイースター
豆の花ひとつが咲けば十咲いて
その人のこゑ背より桜狩
海の上走つてみせる春の鳥
花冷や女子に背負はれコントラバス
薄紅の牡丹少しの風にも揺らぎ
連翹や鬼方吉方の気の流れ
チューリップ愛情だけが咲いてをり
立て込みてささと茹でたる菜花かな
街角の一本とても飛花落花
緑立ついよよ吾子の手離す時
遊ぶ子を覗き込むなり花の枝
花守に守られゐるも花の徳
園庭に桜蕊降る日曜日
雨あがる牡丹の緋色しぶきける
新しき机届きて春の風
名を知らぬ新種つぎつぎ苗木市
孟宗竹に花菖蒲濃紫
菜の花の絨毯まさに河川敷
ボールより本が友だち黄水仙
子も犬も言葉の欲しき春なりけり
草笛を上手に吹きし昭和の子
ものの芽や老いし鳥ども羽繕ひ
薔薇園に薔薇色の風吹き渡り
たかんなの膚むらさきに茹で上がる
波荒く大西洋の春寒く
鍬浸けし水の濁りや春の山
風船のしゆるしゆるしゆると空気抜き
嫌はれる勇気なぞ無しチューリップ
牡丹の芽炎の恋をまだ知らず
春眠や講義概ね耳にして
夏近しテラスの椅子を磨き上げ
単線の二輌編成リラの花
手水舎の服びしよぬれの遠足子
春コート玄関先に置きしまま
湧き水の音や紫蘭の咲き初めし
鳥雲に円空仏のごと遺作
ピザハウス青麦畑そよぎたる
鳥雲に道場よりの声高く
陽炎や母の二十歳の話など
プードルの毛足刈り込み夏近し
吊橋の真ん中飛花と別れけり
躑躅燃え番匠川の豊かなる
花楓いろづき森のイヤリング
短きも長きもありて草若葉
風光る口数多き今日の母
気に入りの春服選び美容院
児の手がつかむ花冷の聴診器
水切りの音を微かに春の湖
花楓知らぬ間に子は育ちけり
杓よりも小さき仏花御堂
春の夢消えて久しや馴染みの灯
春惜む色を消しゆく雨長き
東京といふかげろふの中にをり
銀鱗の煽れば揺らぐ花筏
ふぞろいのクッション三つ春の暮
雲の影ゆるり移ろひ山笑ふ
犬の毛のごっそり抜けて夏近し
乗り過ごし下車せる駅に桐の花
けたたましく鴎が騒ぐ春の昼
三つ目の牡丹咲きまた雨となる
日曜日桜の道を通り抜け
野遊びや爪の中まで黒くして
合唱のバスを担ふかがまがえる
東京タワー薄霞紅く染めにけり
水の中ちよこまか動くおたまじやくし
前庭の薄紅の花水木
春寒し抜糸後も腫れ引かぬまま
春潮の厚み増したる夜更けかな
雨上がるにはかに薔薇の匂ひ立ち
飛花落花連子格子の中に見て
地球儀を回して春を惜しみけり
油絵のいろは教はりチューリップ
種物屋縁より声を掛けくるる
地味とのみ思ひし射干の花明かり
筍山黄色き声の降つてくる
ステッキの歩み確かに花は葉に
利根沿ひの晶子の歌碑や雪消川
誘はれて公園体操飛花落花
吹き抜けるビルの隙間に春の雪
水温む筆の動きのやはらかく
ご祈祷の太鼓に枝垂桜かな
飛花落花幹に箒を立てかけて
生れくる言葉のごとく石鹸玉
五千歩もすれば気が晴れ山若葉
豆の花丈競ふかに真直ぐ伸ぶ
ゆるやかに曲る渡良瀬風光る
屋上を窓に見下ろし春の雪
港湾を見晴らす寺の桜かな
前庭の空を透かして花水木
人波に沿ひて迷はず花の坂
一幕の上がり墨堤花を刷く
幾年月共に生きたる姥桜
菜の花の明るさだけが暮れ残り
鶯にそそのかされて踏む地雷
眼裏に薄紅残る花疲
花冷や紅茶茶碗に金の縁
春灯や帯うつくしき新刊書
幼児の小さきスコップ春の土
苗木市土の匂ひを広げたる
旧友の緑髪いまも蕨餅
百千鳥朝の城山登り来て
池の端の弁天堂や初桜
石段の絨毯のごと落椿
バスを待つ子に重ねたる春日傘
片恋は片恋が良しチューリップ
勧誘の電話に返事四月馬鹿
子供らを転がしてゐる春野かな
みちのくに住まひ移して聖五月
対岸に眺めて花の山淡し
山笑ふ次々変はるみちのく路
春のオリオン夜間飛行の掠めたる
棚霞筑波の裾を隠しけり
桜桃の実の紅となりひと夜かな
黄粉めく黄沙や何処にもまぶる
花万朶古墳の登りゆるやかに
吉野山上千本に春惜しむ
子羊の母へ駆け寄り乳をのむ
園児らの去りたる丘を黄蝶二羽
酒星や今日の暮らしをつつがなく
薔薇園のすぐ裏側を水流れ
花冷や重訳頼りのペルシャ文字
花虻の翅すつきりと広げたり
高瀬舟今も舫ひて花の昼
春灯へ老斑の手を翳し見る
真つ向に春疾風受け電車待つ
風立ちて畦焼の火が走り出す
新社員回転ドアに深呼吸
藤咲くや崖の底なる不動尊
客をらぬ社務所賑やか春障子
花明かり舌にとろけるさしみ湯葉
囀や身体を沈め草スキー
咲き満ちてより白藤の軽きこと
雨もよひ皐月盛りの根津詣で
山門の小さく見ゆる桜かな
おひさまに素直に応へチューリップ
雪解や鳥の祭りのやうな村
褪せながら散りながらなほ紫木蓮
春筍を鍋洋々と茹でにけり
街路樹を紅白模様に花水木
紅椿空へ海へと投げキッス
花冷の夜のベンチに煙草の火
今年までかもしれぬ茶を摘みにけり
D51の膚つめたし飛花落花
思ひ出すことのあまたや貝母咲き
野遊やあそこにあれが咲いた筈
木の芽風車に荷物ひしめかせ
まだ咲いてゐるのに葉桜と墨書
山門を額と見立てて花盛り
蒲公英の名脇役をつとめをり
掛け時計すこし遅れて四月かな
青空へぱつちり開き花水木
絹肌や雫が滑る朝ざくら
連翹の地より噴き上ぐ真昼かな
這ひ這ひが立つちに代はり夏近し
花筏殿またも先駆けに
何処より子供等の声二輪草
思い切りよく桜園を立ち去りぬ
脇道に入ればせせらぎ花明り
瞬きす馬の眼に春の雲
うららかや指丸く持つクリームパン
山笑ふリュックの鈴の鳴り通し
新入生鞄も靴もぎごちなく
神域を彩るしだれざくらかな
いつまでも流れて来さう花筏
日本へ避難の人ら鳥帰る
名づけたる人慕はしき宝鐸草
一畳の書斎に飾る桜草
太陽をしかと受け止めチューリップ
さくら散る散るや紅深めつつ
引き潮や川面に残る花曇
鮮やかに映す空色忘れ潮
幾度ものぞき込みては雪割草
みどりごの乳飲むちから春や春
初めての街のやうなり花水木
振袖の帯胸高に八重桜
不安げな新入生よ顔あげよ
揺れやすきものにお下げと罌粟の花
新入生いつもの犬に吠えらるる
仁和寺へ参る花人ばかりなり
雨止んで景くきやかに彼岸寺
山桜ここな貴人の落ちのびし
やはらかき風にも花の舞ひあがる
酔ひ痴れて候へばとて蜷の道
ほろ酔いてもの思ひたる暮の春
万の眼の見上げてゐたり犬ふぐり
住む人の転変よそに糸桜
リラ咲いてリラのかをりの降る街に
ふらここの揺れ残りけり五時の鐘
敷島に幾千の地震躑躅咲く
二つ三つ墓にお団子入り彼岸
かりそめの生の代表シャボン玉
春の夢たわいなけれど懐かしや
囀の降りくるところ立子墓所
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