発表1:
矢後 友暁(埼玉大・助教)
「シングレットフィッションの磁場効果測定
磁場効果測定から何がわかるのか?」
シングレットフィッションとは、有機材料中などで生成した励起一重項が二つの励起三重項に分裂する過程である。シングレットフィッション過程の存在は、1960年代に有機結晶の蛍光強度に対する磁場効果の観測により実証された。その後、フィッションの研究は下火になったが、2000年代に有機デバイスの高効率化にフィッションが利用できるのではというアイデアが提唱されて以降、再び研究が活発化している。我々は有機結晶の蛍光強度の磁場依存性を観測し、シングレットフィッションの機構解明に取り組んできた。本講演では、磁場効果の原理と最近得られた研究成果について紹介する。
発表2:
小堀 康博(神戸大・教授)
「電子スピンの量子・動的効果で読み解く光エネルギー変換のしくみ 」
光合成や太陽電池などの光エネルギー変換システムでは、光が励起子や電荷を中間体として瞬時に生みだし、必要不可欠なエネルギー源となる。これら変換過程の根源的なしくみは、植物光合成や有機太陽電池などの複雑で不均一な組織・膜中における光反応初期過程を明らかにすることで理解され、将来に期待されている光を有効利用する超高効率デバイス開発への具体的な指針を提示することができる。コロキウムでは、時間分解電子スピン共鳴法による光電荷分離および一重項励起子分裂の初期過程で生成するスピンの量子・動的効果の解析によって明らかになった中間体精密構造と、それにより示されたエネルギー変換機構の一部を紹介する。
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[開催日時]
12/2 (水) 17:00 開始
[対象]
主に大学院生以上としますが、他分野の方や学部生の参加も歓迎します。
若手研究者・学生の学際交流の場にもなると嬉しいと考えています。
[開催形態]
◆A形式(最大100人、学生優先).
講演者に対して直接の質疑応答や、フリーディスカッションに参加したいと考える方は、従来のアナウンスのようにZoomでの視聴。フォーム回答後のYoutube LiveのURLを知らせる自動返信のメールとは別途メールにてZoomのリンクをお送りします(16:30頃までに送信予定)。
◆B形式(人数無制限).
テレビやラジオ感覚の視聴(ただし質問はチャットを通じて可能)で構わない方は、Youtube Liveでの視聴。フォーム回答後に送られてくる自動返信メールに記載されているYoutube LiveのURLに時間になったらアクセスいただき、講演をお楽しみください。
以上二種類の形式のどちらかの視聴方法を選択してください。
なお、Youtube Liveは開催週の週末まではアクセスできるようにしておくので、時間が合わない方も時間差視聴することが可能です。
[参加方法]
本ページ下部にある登録フォームから登録。A形式を希望された場合は、Zoom URLは当日に本Vコロキウム運営用のメール(
molecular.photoscience.v.c@gmail.com)からメールにて通知されます。
[参加費]
無料(コロキウムも懇親会も)
[タイムテーブル]
17:00 - 17:05 初めの挨拶
17:05 - 17:35 講演1
17:35 - 18:00 質疑応答1
18:00 - 18:30 講演2
18:30 - 18:55 質疑応答2
18:55 - 19:00 閉会挨拶
(希望者のみ)
21:00 - バーチャル懇親会
*オンラインツールを利用したV懇親会を計画しています。URLは、以下のフォームで参加表明いただいた方に、当日夕方までに別途メールでお送りします。
以上で不明な点があれば、こちら↓までお問い合わせください。
molecular.photoscience.v.c@gmail.com