要旨:ガラス、ダイヤモンド、マルテンサイトなどは、自由エネルギー最小ではないにも関わらず安定に存在する準安定相の代表例である。このような準安定相は身の回りに数多く存在している一方で、物質中で相互作用する電子系の研究においては準安定相の存在はあまり注目されて来なかった。その背景には、電子は量子トンネルしながらフェムト秒スケールで運動するため、準安定相から最安定相にすぐに変化するだろうという推測があるように思われる。しかし、電子が多体的に相互作用したときの集団運動のダイナミクスは非自明であり、準安定相に留まる可能性も考えられる。本講演では、熱パルスを用いた急冷法によって、準安定磁気スキルミオン相や準安定超伝導相などの準安定電子相を開拓した研究を紹介する。これらの熱パルスによる研究成果を基に、超強磁場の実験で用いられるようなパルス磁場による準安定相の開拓の可能性についても言及する。
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お問い合わせ: 宮田敦彦
a-miyata@issp.u-tokyo.ac.jp