日本国籍とロシア国籍のカップルでお子さんをお持ちの方々へ
アンケートにご協力ください
※設問1はすでに成人している日露家族のお子さん向けの項目です。該当される方はご協力ください。
このアンケートの実施主体は複数国籍学習会(https://sites.google.com/view/satokot)の有志です。私たちのところには、日本で生まれた日露家族の子どもの出生届をロシア大使館に提出したために、日本国籍を喪失してしまったという相談が寄せられています。日本で生まれ、日本で育っている子どもたちが日本国籍を喪失している事態を、私たちはとても重く受け止めています。
これまでに2家族が国籍確認訴訟を提訴しましたが、どちらも原告が敗訴し、子どもたちの日本国籍喪失が確定しました。2017年最高裁が上告を棄却した訴訟で問題となったのは、2002年改正ロシア国籍法でした。2021年東京地裁で原告が敗訴し、2022年に控訴が棄却された訴訟で問題になったのは、1992年ロシア国籍法でした。2つの裁判で原告が敗訴したことにより、1992年以降に日本で生まれ、ロシア大使館に出生届を提出したすべての子どもたちについては、日本国籍を喪失したとする国の運用が確定したということができるでしょう。ただし、1992年ロシア国籍法については高裁判決のため、今後、新たな国籍確認訴訟が提起され、最高裁で決定が覆る可能性は残っています。
私たちが当事者の方々からお話をうかがってきた中で、少し気になる誤解がありましたので、以下3点にまとめました。
(1) ロシア大使館に出生届を提出した子どもたちの国籍はロシア国籍のみです。「子どもは日本のパスポートを持っている」という方がいるかもしれません。しかしそれはたまたま日本国籍が喪失していることを見過ごされているだけです。
(2)「子どもにロシア国籍を離脱させた」という方がいるかもしれません。ロシア国籍取得証明書取得日に日本国籍は喪失していますから、日露以外の国籍がなければお子さんは無国籍です。
(3)「このまま行けるところまで行きたい」という方がいるかもしれません。それでは子どもたちはずっと不安を抱えて生きることになります。
今後、日本のパスポート更新の際などに、ロシア国籍について質問されることがあるかもしれませんが、日常生活にすぐに何か不都合が生じることはないと思います。
皆さまから寄せられた回答は、個人情報保護を徹底し、個人が特定されるような形での公開・共有は決して行わないことをお約束いたします。このアンケートの目的は、問題状況と日露家族の思いを伝えるための資料を作成するためのものです。アンケートの第一次締め切りは2023年8月20日とさせてください。締め切りが過ぎても回答は可能です。アンケートの下記URLをお知り合いの日露家族にご紹介いただけると助かります。なお、この調査の全責任は、複数国籍学習会有志にありますが、調査結果を国連の無国籍者保護・削減の任務を持つ国連難民高等弁務官(UNHCR)事務所に共有する可能性があります。
日本語版アンケートサイト
https://forms.gle/7Gruf6jiU1jdsbqG7
ロシア語版アンケートサイト
https://forms.gle/qPkhosLAHPGpeXrb6
複数国籍学習会世話人 武田里子
連絡先メールアドレス:nichiro2307@gmail.com