KOTOWARI Summer Retreat 2023
気候変動、経済格差、資源の枯渇、疫病の蔓延と混乱、各国間の軋轢と戦争など、世界規模での危機が深刻化している。ともすれば私たちは、政治経済の構造改革や科学技術の発展によって、世界の問題は解決できるものだと思いがちだ。たしかに近現代の文明の歴史はそのように築かれてきたし、これからも外的な世界の変革は求められ続けていくことだろう。
しかし、それと同時に、問題の根源にある人間の内面の働きを知ることが、現代に特有の喫緊の課題となってきている。制御できないのは外側のシステムなのではなく、私たち人間自身なのだということが、幾多の問題の背景に見えはじめてきている。どれだけ時代や環境が変わっても変わることのない、形と名前は違えど繰り返されてきた人間の心の営みに目を向けるとき、問題の解決に至る一歩を、私たちは自らの中に見出していけるかもしれない。
このような時代の節目に、古今東西で人びとはリトリートを行ってきた。リトリートとは、人里離れた奥深い自然環境で過ごす、自分自身の中に深く潜っていく時間。幾千年の時の流れを感じるブナの原生林を歩き、ヨガや瞑想などの観想的な実践を通して、世界に関する知的な理解の土台となる身体的な智慧を養う。
日本古来の自然の智慧を体現する達人や哲学者、禅の修行者、山伏といったゲスト、多様な実践の背景を持つファシリテーターたちと共に、次の時代の世界観を探求していく、「KOTOWARI Summer Retreat」。今夏、奥会津の山村道場に、国内外から若者たちが集う。少し先を歩く問いの探求者や実践者、志を同じくする同朋たちと語り合い、ときには森の中で一人静かに瞑想し、これからの人生を生きる上での土壌を築いていく。
[日時] 2023年8月16日(水)~ 20日(日)
[場所] 会津山村道場
[参加対象] 15歳 〜 25歳 (学校に所属している必要はありません)
[定員] 25人
[参加費] 無料 (会場最寄駅までの行き帰りの交通費のみ自己負担)
[申込締切] 2023年7月21日 (金)
[申込方法] https://kotowari.co/kotowari-summer-retreat-2023/ より応募
一般社団法人KOTOWARI
一般社団法人KOTOWARIは、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏やハーバード大学ビジネススクール教授の竹内弘高氏を理事に迎え、2021年から福島県奥会津で若者向けの教育プログラムを提供している。主宰の青木光太郎はアメリカのリベラルアーツ大学を卒業後、ヒマラヤ山脈でのヨガ・瞑想修行などを経て帰国し、一般社団法人KOTOWARIを設立。以来、リベラルアーツ教育とヒマラヤでの経験を土台とした、深い内省と自然の原体験を組み合わせた教育の場づくりに努めている。
リベラルアーツでは、人々の価値観や世界観が歴史や文化の潮流の中で形成されることを理解し、自身の前提や常識を相対化し、批判的な思考を通じて再評価する。他方、東洋の内省の世界には、言語や思考の枠から離れた、人間の意識の本質へと至る道筋が存在している。KOTOWARIでは、この西洋と東洋が交わる領域に、次の時代を作りあげていく若い世代の在り方を探求する。